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ふとしたときに部分的に抜け毛や薄毛が生じていることに気が付き、その原因やどう治せば良いのだろうか…、などと悩んでしまう方は少なくないでしょう。さまざまな原因が考えられますが、もしかしたらその症状は「円形脱毛症」になっているかもしれません。
本記事では、円形脱毛症の症状や、種類、原因、対処法について解説していきます。
AGA(男性型脱毛症)との見分け方もご紹介するので、ぜひ参考にしてほしいです。
目次
円形脱毛症の症状
円形脱毛症とは、一部のリンパ球(Tリンパ球)が「毛包」の組織を壊そうとして周囲に炎症が起こる自己免疫疾患のことです。症状としては「髪の毛が円形に抜け落ちること」が挙げられ、1ヶ所だけではなく複数の箇所で同時に円形に髪の毛が抜け落ちる場合もあります。一生に1度だけしか症状が出ない方もいれば、何度も繰り返し症状が出る方もいるため個人差があります。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は、以下に示す5つの種類に分けられます。ここではそれぞれの症状について詳しく説明していきます。
- 単発型円形脱毛症
- 多発型円形脱毛症
- 蛇行型円形脱毛症
- 全頭型円形脱毛症
- 汎発型円形脱毛症
単発型円形脱毛症
頭部の1ヶ所のみに、円形または楕円形の脱毛部位(脱毛班)が生じます。進行すると範囲が広くなったり、多発型円形脱毛症になったりする場合があります。
多発型円形脱毛症
頭部の2ヶ所以上に円形または楕円形の脱毛部位(脱毛班)が生じます。脱毛の範囲が25%未満の場合は軽症、頭皮の25%以上になると重症といわれています。
蛇行型円形脱毛症
頭髪の生え際部分から帯状に髪の毛が抜け落ちます。そのほかにも、「首筋近くの後頭部」「耳の周囲」などの毛が抜けるケースもあります。
全頭型円形脱毛症
頭部全体の毛が、ほぼすべて抜け落ちます。多発型円形脱毛症が進行して、このタイプに移行する場合があります。
汎発型円形脱毛症
頭髪だけではなく、「まゆ毛」「まつ毛」「腋毛」など、全身の毛が抜け落ちます。円形脱毛症の症状の中でも最も重症であるといわれています。
円形脱毛症の原因
上述した通り円形脱毛症は自己免疫疾患です。自己免疫疾患はリンパ球などの免疫反応が変調し、毛包に炎症が起こることがきっかけとなって起こります。原因としては以下のようなものが考えられており、それぞれについて詳しく説明していきます。
- 疲労・ストレス・睡眠不足
- 感染症
- 遺伝的要因
- 出産後の女性ホルモン分泌量の減少
疲労・ストレス・睡眠不足
「疲れやストレスがたまっていること」や「睡眠不足の状態に陥っていること」が引き金となって、Tリンパ球が毛根部分を攻撃してしまう(自己免疫反応が起こる)場合があります。その結果、毛包周囲に炎症が起こってその部位の毛が抜け落ちます。
ストレスで交感神経に異常をきたすと血管が収縮するため、頭皮や髪の毛に栄養が充分に行き届かなくなることも抜け毛の原因の1つです。
感染症
さまざまな感染症がきっかけとなって、円形脱毛症が引き起こされる場合もあります。具体的な感染症としては通常の風邪、胃腸炎、インフルエンザなどが挙げられます。
遺伝的要因
円形脱毛症には遺伝的な要因も指摘されています。円形脱毛症になる方は、家族にも円形脱毛症になったことのある人がいる場合があります。兄弟姉妹、親子で発症することも珍しくありません。
出産後の女性ホルモン分泌量の減少
女性の場合には、出産後に女性ホルモンの分泌量が減少することがきっかけとなり円形脱毛症になるケースがあります。妊娠中は通常よりも多くの女性ホルモンが分泌されているが、出産後に急激に分泌量が減少します。出産後3〜4ヶ月の時期に抜け毛が多くなる傾向があり、円形脱毛症になる場合もあると言われています。
円形脱毛症の対処法
円形脱毛症になった場合は以下に示す対処法を試すと良いと言われており、それぞれについて詳しく説明していきます。
- ストレスを解消する
- 様子を見る
- 適切な栄養を摂取する
ストレスを解消する
円形脱毛症は、ストレスがきっかけとなって発症する場合があるので、ストレスを溜め込まないことが大切です。「音楽を聴く」「軽い運動をする」「家族や友人と会話する」など、自分に適した方法でストレスの解消に努めると良いでしょう。不規則な食習慣や睡眠習慣を改善すると、ストレス解消や髪の毛の健康へつながります。
様子を見る
軽度の円形脱毛症であれば、放置していても数ヶ月〜1年程度で自然に治るケースもあります。ただし、様子を見ていくなかで脱毛範囲が広がる場合や繰り返し発症する場合は医師に相談しましょう。
適切な栄養を摂取する
食事のみで円形脱毛症を治癒させることは難しいですが、バランスの良い食事は髪の成長につながります。体の末端部分の髪の毛にまで充分な栄養が行き渡るように、食事の内容に気を付ける事が重要です。特に、髪の毛に必要な栄養素であるタンパク質(大豆、肉、魚、卵など)やビタミン類(野菜やカツオなど)、亜鉛(牡蠣や牛肉など)を積極的に摂取すると良いでしょう。
円形脱毛症とAGA(男性型脱毛症)の違い・見分け方
前述のとおり、円形脱毛症には様々な種類があります。自身では円形脱毛症だと思っていてもほかの脱毛症(AGAなど)になっている場合もあります。以下は、円形脱毛症とAGAの違い・見分け方です。それぞれについて詳しく説明していきます。
- 脱毛が生じる部位・形状
- 進行するスピード
脱毛が生じる部位や形状
AGAの場合は頭頂部や前頭部の生え際を中心に、頭髪が全体的に薄くなる傾向があります。それに対し円形脱毛症では、特定の部位の髪の毛が抜け落ち円形や楕円形に頭皮が露出します。つまり、抜け落ちていない部位との境界が明瞭にわかるような状態となります。
脱毛が進行するスピード
AGAの場合は長い年月をかけて、ゆっくりと毛髪の密度が低下していきます。
対して円形脱毛症では、何の前触れもなく急激に特定領域の髪の毛が抜け落ちます。
自身でも気がつかないうちに脱毛し、指摘され初めて気が付く場合もあります。
まとめ
この記事では、円形脱毛症の症状や、種類、原因、対処法について詳しく解説いたしました。AGA(男性型脱毛症)との見分け方についてもご紹介いたしましたが、自身では判断はつきにくいこともあるため、髪の毛に関する悩みを感じたら早めに医師に相談しましょう。
円形脱毛症はいくつかの種類があるため、AGAやほかの脱毛症と見分ける必要があります。脱毛が生じている部位やスピードを確認することで見分けることができます。しかし、自己判断ではなく医師の診察を受けるべきでしょう。
AGAオンクリでは、AGAや薄毛に関する診察を行っており、24時間365日、無料で相談することが可能です。医師から適切なアドバイスや治療薬の処方を受けられますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。