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皮膚炎やじんましんなどのさまざまな疾患により、頭皮に炎症や痛み、かゆみなどの症状がでる場合があります。その中でも特に注意したいのは、「帯状疱疹」です。重症化すると入院治療が必要になるので、違和感を覚えたら速やかに医師に相談すべきでしょう。
本記事では、帯状疱疹の原因や頭皮にできた場合の症状について詳しく解説していきます。予防方法や発症した場合の対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって起こる皮膚の病気です。最初に水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した際は「水痘(水ぼうそう)」として発症します。多くの場合水痘は子どもの時期に発症して、1週間程度で治るといわれます。
しかし、治癒後も体内の「後根神経節」にウイルスが潜伏しているため、何らかの要因で再活性化することで発症するのが帯状発疹です。
帯状疱疹の原因
帯状発疹はさまざまな原因で免疫機能が低下し、神経節に残っていたウイルスが再活性化することで発症します。ウイルスが神経節内で増加し、知覚神経を伝わって皮膚に到達すると、表皮細胞に感染します。そこでさらに増殖し、痛みを伴う赤い発疹が神経の走行に沿って帯状に出現します。
免疫機能は、「加齢」「疲労」「ストレス」「悪性腫瘍」「免疫抑制剤の使用」などによって低下すると言われており、50歳以上になると発症率が上昇します。80歳までに3人に1人が発症するというデータもあります。
頭皮にできる帯状疱疹の症状・特徴
以下は、一般的な帯状疱疹の症状・経過です。
①「違和感」「チクチクと針を刺すような(あるいは、ピリピリとしびれるような)痛み」「かゆみ」が生じる
②2~3日後に、赤い発疹ができ、体の左右どちらかの神経に沿って帯状に広がる
③1週間程度経過すると、発疹に水疱(みずぶくれ)が多発する
・「熱」や「リンパ節の腫れ」などの症状が出現するケースもある
③通常、2~4週間程度で水疱が破れて「かさぶた」になり、完治する
・帯状疱疹は、頭皮に出現する場合もある(頭部・顔面に出現する割合は、17.6%)
・頭皮に生じると、神経が多く集まっているため、最初は片側にピりピリとした痛みを感じ、進行すると激しい痛みを伴うケースがある
・頭痛と間違えやすい
抜け毛・薄毛との関係
帯状疱疹そのものが、抜け毛・薄毛を引き起こすことはありません。ただし、帯状疱疹の治療薬の副作用で髪の毛が抜けるケースが報告されています。
帯状疱疹の予防方法
以下は、帯状疱疹の予防方法です。
- 免疫機能を低下させないように心がける
- 帯状疱疹ワクチンを接種する
それぞれについて詳しく説明していきます。
免疫機能を低下させないように心がける
免疫機能が低下しないように、普段から体調管理に努めることが重要です。そのためには日々適度な運動を行い、体力をつける事が大切です。その他にもバランスの良い食事や質の高い睡眠なども重要です。疲労やストレスの蓄積を避け、適切な休息・リラックスを心がけるようにしましょう。
帯状疱疹ワクチンを接種する
帯状疱疹ワクチンを接種することも検討しましょう。50歳以上が対象であり、任意の予防接種なので全額自己負担となります。ワクチンを接種することで発症や重症化を抑えられます。
【帯状疱疹ワクチンのタイプ】
・生ワクチン:1回接種、発症予防効果は5割~7割程度
・不活化ワクチン:2回接種、発症予防効果は9割以上
頭皮に帯状疱疹ができた場合の対処法
以下は、頭皮に帯状疱疹ができた場合の対処法です。
- ブラッシングやシャンプーを控える
- 充分な栄養を摂取し、休息をとる
- 早めに医療機関を受診し、診断・治療を受ける
それぞれについて詳しく説明していきます。
ブラッシングやシャンプーを控える
患部を刺激すると痛みが増す場合があるため、治るまではブラッシングやシャンプーを控えましょう。
充分な栄養を摂取して休息をとる
帯状疱疹は、体力や免疫機能が低下している状態で発症します。そのため充分な栄養を摂取し、休息をとることが大切です。発症中に無理をすると、重症化する可能性があるので注意が必要です。
早めに医療機関を受診し、診断・治療を受ける
帯状疱疹が疑われる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。基本的には、抗ウイルス薬の内服で治療が行われますが、痛みがひどい場合はそのように伝え、鎮痛剤も処方してもらいましょう。
軽症なら自然治癒することもありますが、重要化すると入院治療が必要になる場合もあります。症状が出たら速やかに医師の診断を受け、薬を処方してもらうのが良いでしょう。
頭皮に帯状疱疹ができた場合の注意点
以下は、頭皮に帯状疱疹ができた場合に注意すべき点です。
- バスタオルや枕などの共有を避ける
- かゆみがあっても、かさぶたを無理にはがさない
- 自己判断で市販薬を使用しない
それぞれについて詳しく説明していきます。
バスタオルや枕などの共有を避ける
他者に感染する可能性がゼロではないため、バスタオルや枕などの共有を避けましょう。また周囲への感染を防ぐため触ったりひっかいたりするのを避け、もし触れてしまった場合にはしっかりと手を洗いましょう。発疹がかさぶたになれば、他者に感染しなくなります。
かゆみがあっても、ひっかいたりかさぶたを剥がしたりしない
かさぶたを無理やり剥がすと、傷跡が残りやすくなります。かゆみがあっても、自然に脱落するのを待つべきでしょう。
自己判断で市販薬を使用しない
ドラッグストアで市販されている薬を、自己判断で使用するのは避けるべきです。医師から処方された抗ウイルス薬を、用法・用量を守って服用しましょう。重症化すると入院して点滴治療を受ける場合があるので、症状が出たら早めに医療機関を受診する事が重要です。
まとめ 頭皮に帯状疱疹ができたら、早めに皮膚科を受診しよう
本記事では帯状疱疹の原因や頭皮にできた場合の症状について詳しく解説いたしました。あわせて予防方法や発症した場合の対処法もご紹介しました。
頭皮に違和感や痛みがある場合、帯状疱疹ができているかもしれません。髪の毛が邪魔で目視が困難な部位なので、確認できない場合には速やかに医療機関(皮膚科)を受診するべきでしょう。軽症であれば自然治癒するケースもあるが、重症化すると入院治療が必要になることもあります。また、市販薬ではなく医師から処方された抗ウイルス薬で治療を行うようにしましょう。50歳以上の方は、発症リスクが上がるため帯状疱疹ワクチンを接種することも検討しましょう。
なお、「違和感があって皮膚科を受診した結果、帯状疱疹ではないと判明したが、薄毛・抜け毛が続いている」という方は、AGA(男性型脱毛症)の可能性があるので、AGA専門のクリニックを受診すると良いでしょう。「AGAオンクリ」なら、24時間365日いつでも相談可能で、医師から適切なアドバイスを受けることが可能です。