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側頭部の薄毛に気づいた方は、AGAとの関連を疑い、不安になる場合もあるでしょう。側頭部の薄毛とAGAの関連性は低いと考えられていますが、「側頭部の薄毛はAGAではない」とも言い切れません。
本記事では、側頭部の薄毛に悩んでいる方へ向けて、AGAとの関連性や、側頭部の薄毛の原因とその対策を解説していきます。
目次
側頭部の薄毛とAGAの関係性
AGAは進行性の脱毛症で、悪性の男性ホルモンが髪の毛のヘアサイクルを乱すことにより、抜け毛を生じさせます。男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5αリダクターゼ(Ⅰ型とⅡ型)と結びつき、ジヒドロテストステロンというホルモンに変換されます。
ジヒドロテストステロンが毛包のホルモン受容体に結合することで、脱毛因子が生成されヘアサイクルが乱れます。Ⅱ型5αリダクターゼは「生え際」「前頭部」「頭頂部」に多いため、個人差はありますが側頭部の髪の毛との関連性は低いと考えられます。
また、AGAの進行を分類するハミルトン・ノーウッド分類によると、AGAは「生え際の後退」からはじまり、頭頂部の薄毛へと広がっていきます。そのまま進行すると、頭頂部の後ろまで薄毛が進行し、頭皮が露出した状態となります。ハミルトン・ノーウッド分類に当てはめて考えると、AGAにおいて側頭部に薄毛が広がるとは考えにくいです。なお、全体的に薄毛が出た際は、AGAの可能性もあるので治療や相談が必要となります。
側頭部の薄毛につながる5つの原因
側頭部における薄毛の原因には、主に以下の5つが挙げられます。
- 甲状腺機能の低下
- 脂漏性皮膚炎
- 眼精疲労
- 肩こり
- ストレス
それぞれの原因について詳しく説明していきます。
甲状腺機能の低下
甲状腺機能低下症になると、甲状腺の働きが低下することで甲状腺ホルモンの産生が不十分になり、身体の重要な機能が働く速度が低下します。甲状腺機能の低下は、髪を作る細胞の働きも低下させてしまうので、薄毛の原因になる場合もあります。
加齢による通常の抜け毛は、ブラシを使った際に抜け毛がつく程度で毛量の変化には気づかない場合が多いです。しかし、甲状腺機能の低下による抜け毛の場合、明らかに毛量が減っています。
頭皮の病気や異常
以下は、薄毛や抜け毛に関係する病気や異常の一例です。
- 脂漏性皮膚炎
- 牽引性脱毛症
- 円形脱毛症
かゆみにより頭部をかきむしることなどで、抜け毛につながります。毛髪そのものの問題による抜け毛ではないため、病気や異常によっては、また生えてくる場合もあります。しかし、これらの病気や異常については医師の診察の元治療が必要となります。
血行不良
血行不良の原因は主に、眼精疲労や肩こり、生活習慣の乱れ、喫煙などが挙げられます。毛髪の成長を促すには、栄養や酸素が必要なのでそれらを運ぶ血流が滞ると発毛が妨げられ、薄毛の原因につながります。また、血行不良により老廃物が溜まりやすくなると、フケやかゆみの原因になり、こちらも薄毛につながるといわれます。
ストレス
ストレスが直接、抜け毛につながる科学的根拠はありません。しかし、ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れなどと関連があります。自律神経は「交感神経」「副交感神経」のふたつに分かれており、どちらの神経が優位に働くかで、活動と休息のバランスをとっています。このバランスが崩れることで、血流の悪化や、睡眠不足につながります。血流は栄養や酸素を頭皮や毛髪に届けるのに重要です。
睡眠中には、毛髪を含めた身体の細胞の成長を促す成長ホルモンが分泌されます。ストレスによって睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が滞るため、薄毛の原因となることもあります。また、ホルモンバランスの乱れは女性の抜け毛に影響しやすいです。ストレスにより、女性ホルモンと呼ばれる「エストロゲン」の分泌が低下します。エストロゲンは毛髪の成長に関わるホルモンで、分泌が滞ることで薄毛の原因となります。
側頭部の薄毛への対策方法
側頭部の薄毛対策は以下のとおりです。
- 原因疾患の治療
- 血流の改善
- 食事の改善
- 生活習慣の見直し
それぞれの対策について詳しく説明していきます。
原因疾患の治療
側頭部の薄毛の原因は、甲状腺機能低下症や頭皮の病気などが考えられます。そのため根本となる疾患の改善が大切です。甲状腺機能低下症の専門は内科や内分泌内科で、一般的に内服治療を行います。頭皮の病気の場合は皮膚科で、塗り薬やローションタイプのつけ薬による治療が一般的です。疾患が治ると薄毛も改善される場合があるため、適切な治療を行うことが大切となります。
血流の改善
血流の滞りを改善することで、髪の毛に必要な栄養や老廃物の排出につながります。改善方法は以下のとおりです。
- ●マッサージやストレッチ:適度にもみほぐすと患部の血流が良くなり、ストレッチにも同様の効果が期待できる。
- ●水分補給:水分不足の場合は、血液の粘度が高くなり流れが悪くなる。こまめに水分を摂取することで、血流が改善できる。
- ●体を温める:体を温めると、血管が開き血流が促進される。ホッカイロや入浴などで体を温めると良い。
食事の改善
過度なダイエットや、食生活の乱れは栄養不足から薄毛へとつながります。健康な髪の生成には「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」「イソフラボン」の摂取が大切です。
- ●タンパク質:毛髪の多くは「ケラチン」と呼ばれるタンパク質で構成されている。肉や魚、大豆、乳製品に多く含まれている
- ●ミネラル:特に大切なのは、毛髪に構成するケラチンの生成に関わるミネラルである「亜鉛」牡蠣や豚レバー、牛もも肉、かつおぶしなどに多く含まれている。
- ●ビタミン:糖質や、タンパク質の代謝をサポートする。体の中で作られないため意識して摂取することが大切。レバーや大葉、にんじん、うなぎ、チーズなどに多く含まれている。
- ●イソフラボン:イソフラボンは細胞を老化する活性酸素を抑制する。また、5αリダクターゼの阻害効果も期待されている。これらが多く含まれるのは、納豆や味噌、豆乳、豆腐などの大豆製品。これらの食材を、日々の食事に取り入れることが重要。
生活習慣の見直し
生活習慣から薄毛を予防することができます。そのためには、下記の生活習慣を見直すことがおすすめです。
- ●睡眠:睡眠不足は、毛髪に影響を与える成長ホルモンの分泌低下につながる。また、ストレスも溜まりやすくなるのでしっかり睡眠をとることが重要。
- ●喫煙や飲酒:ニコチンは血管の収縮による血行不良を起こし、毛髪に栄養や酸素が行かない原因となる。アルコールによる毒素の分解に、毛髪の栄養となるビタミンやアミノ酸を消費してしまうため。
- ●運動を行う:前述したとおり、ストレッチなどの運動は、血流を促して肩こりの改善につながる。また、薄毛の原因となるストレスの発散にもつながる。
側頭部が薄毛になる原因を理解して適切な対策を行おう
側頭部の薄毛の原因は「甲状腺機能の低下」「頭皮の病気や異常」「血行不良」「ストレス」が考えられます。側頭部だけ薄毛が目立ち始めた場合や、上記の原因に心当たりがある場合は、AGAとの関連は低いと考えられるため、それぞれの原因にあった対策を行うことで改善される可能性があります。しかし、側頭部だけでなく全体的に薄毛が出てきた場合や、上記の原因に心当たりがない場合はAGAの可能性も考えられます。
不安な場合や気になる場合は、AGA専門のクリニックに相談してみましょう。あくまでAGA専門のため、甲状腺や頭皮の病気などは診断できない場合もあります。
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